どうも、おじさんです。クライオポンプ(クライオ)って、ちゃんとハマると強いんだけど、定期的にくるイベントがこれ。
「再生(レジェネ)が長い」
「再生してもベース圧が戻らない」
「再生のたびに立ち上げがつらい」
クライオは“冷やして捕まえる”ポンプなので、捕まえたガス(特に水分)を温めて吐き出して、また冷やすって工程が必要になります。ここを雑にやると、時間も品質も落ちます。
※再生手順はメーカー機種ごとに細かい条件が違うので、最終的には必ず機種の手順書を正にしてください。この記事は、現場で事故りやすいポイントを外さないための“考え方とチェック”です。
そもそも再生(レジェネ)って何をしてる?
ざっくり言うと、再生はこの流れです。
- クライオをチャンバーから隔離(バルブで切る)
- クライオを温めて、捕集したガスを放出させる
- 放出したガスを粗引き系で抜く(ここが重要)
- 乾いたガスで戻したり、必要に応じてパージ
- 再び冷やして、安定させて復帰
ここでの主役は、だいたい水(H₂O)です。水は吸着もするし、装置を開ければどんどん入る。だから再生が長引く。
再生が必要になるサイン(やらないと詰む)
- ポンプダウンが前より遅い(特に途中から粘る)
- ベース圧が下がり切らない/安定が悪い
- プロセスが汚れる、再現性が落ちる(捕集能力が落ちてる可能性)
- メーカー推奨の再生タイミングに達した(ここは素直に守るのが安全)
基本の再生手順(“順番”が大事)
1) まず隔離:チャンバーと切り離す
- クライオ側だけを再生できる構成なら、まずは隔離
- バルブやラインの状態(開閉、リーク)もこのタイミングで確認
2) 温める:捕まえたものを“ちゃんと出す”
- 温度や昇温の仕方は機種手順に従う(急にやりすぎると別トラブルの元)
- 「途中で止める」と、残った水分が次の立ち上げを地獄にする
3) 放出ガスを抜く:粗引き系が弱いと終わらない
ここが詰まりポイントです。再生中はクライオからガスがドバッと出るので、それを逃がせないと再生が終わりません。
- 粗引きポンプ(バックポンプ)の能力・状態は大丈夫?
- フォアラインに詰まり(トラップ/フィルタ/バルブの閉まり不良)はない?
- 排気先が詰まってない?(排気配管の抵抗、排気側フィルタなど)
4) 戻す:できれば乾燥ガス(乾燥N2など)
- 湿った空気で戻すと、せっかく抜いた水をまた入れがち
- 可能なら乾燥N2で戻す(運用ルール化できると強い)
5) 冷やして安定:再起動は“落ち着いてから”
- 冷却は手順どおり(焦ってプロセスを回すと、挙動が安定しないことがある)
- 復帰判定(圧力・時間・アラーム)も手順化しておくと事故が減る

再生が長引く“典型原因”と対策
原因A:そもそも水負荷が多すぎる(装置が湿ってる)
- 開放時間が長い/湿度が高い日に開けた
- 洗浄後の乾燥不足、治具や樹脂部品が吸湿してる
対策:開放〜組立の段取り短縮、乾燥保管、乾燥ガス戻し。できる範囲で“水を入れない”が一番効きます。
原因B:粗引き系が弱い(バックポンプ・ラインの問題)
- 粗引きポンプの油が劣化、水分抱え込み、温度上昇
- フォアライントラップやフィルタが詰まっている
- バルブが完全に開いていない/配管が細く長い
対策:バックポンプの状態点検、詰まり部品の清掃/交換、配管の見直し(太く短く)。ここ、直すと露骨に効きます。
原因C:途中で中断・ショートカットしてる
- 「時間がないから途中で復帰」→ 次回がもっと長くなる
- 冷却/復帰条件が曖昧で、毎回ぶれる
対策:再生は“完走”が基本。復帰条件もログ化して、誰がやっても同じに寄せます。
再生後の“合格判定”を決めておく(ここが地味に大事)
- ベース圧の到達(どの圧力域まで、どの時間で、を目安化)
- 圧の安定性(放置でジワっと上がるなら、水やリークの疑い)
- 必要なら簡易リーク確認(装置ルールの範囲で)
- 再生ログ(いつ、どんな条件、どのくらい時間)を残す
ログがあると、「今回は長い」の原因が追えるんで、改善が回り出します。逆にログがないと、毎回“勘”になります。
まとめ:クライオ再生は「水」と「粗引き系」で8割決まる
クライオ再生が長い・戻らない時は、だいたいこの2つが主犯です。
- 水を入れすぎてる(開放・洗浄・保管・戻しガス)
- 吐き出したガスを抜けてない(バックポンプ・フォアライン・詰まり)
「どこが詰まってそう?」って切り分けは、構成(バルブ、粗引き系、配管、運用手順)と症状が分かれば、かなり現実的に整理できます。必要なら、現場の構成に合わせて“再生手順の叩き台(SOP)”も作りますよ。
“うちでもできる?”と思ったら、まずは聞いてみてください!


































