こんにちは。今日は、真空装置に使われるフランジやコネクタ、先端ねじ、チューブなどについてお話ししたいと思います。真空環境では、部品選びひとつでシステム全体の性能や耐久性が大きく変わってきます。
「どんなフランジを選べばいいのか？」「真空環境でのUSBコネクタの選定は？」といった疑問をお持ちの方に向けて、加工対応のポイントや具体的な活用事例を交えながら詳しく解説していきます。

真空環境で求められる特性
真空装置では、大気圧と異なる環境の中で高い性能を維持するため、各部品に特別な特性が求められます。
特に重要なのは以下の3点です。

• 気密性の確保
  　→ フランジやコネクタは、外部からの空気流入を防ぐために、優れたシール性能が必要。
• 耐久性と材質選定
  　→ 金属製のフランジや高耐久なコネクタは、長期間使用しても劣化しにくい。
• 適切な接続と取り扱いやすさ
  　→ 先端ねじや同軸・USBコネクタは、使いやすさと耐真空性のバランスが求められる。

フランジの役割
フランジは、真空装置の各部をつなぎ、確実にシールするために不可欠な部品です。
ガス漏れを防ぐためには、材質や加工精度が非常に重要になります。

主なフランジの種類

• ICFフランジ（超高真空向け）
  　→ SUS304やSUS316Lを使用し、溶接加工にも対応。
• NW/KFフランジ（低～中真空向け）
  　→ 小型装置や研究用途に適し、ゴムOリングでシール。
• ISOフランジ（中～高真空向け）
  　→ 大型装置向けで、高い耐久性を持つ。

加工対応のポイント

• 高精度なシール面加工
  　→ 仕上げ精度が悪いと、わずかな隙間からリークのリスクが発生。
• 耐久性の高い素材選び
  　→ SUS316Lなど耐腐食性に優れた材質を選定。
• 特殊サイズ・形状への対応
  　→ 装置に合わせたカスタムフランジの製作が可能。

先端ねじの特徴と用途
真空装置の締結部には、特殊な先端ねじが使われることが多いです。
特に、以下のような用途で採用されるケースが増えています。

1. 高精度な締結が必要な部位
2. 振動による緩みを防ぎたい装置
3. 極低温・高温環境下でも耐久性が求められる場合

同軸コネクタの利点
同軸コネクタは、高周波信号の伝送に適しており、真空環境でも安定した接続が可能です。
例えば、研究機関や半導体装置では、電気信号のロスを抑えるために活用されています。

多ピンコネクタの用途
多ピンコネクタは、複数の信号線をまとめて接続できるため、効率的な配線管理が可能です。
特に、真空装置の制御回路やデータ伝送に活用され、以下のメリットがあります。

1. ケーブルの取り回しが簡単
2. 配線ミスを防ぎ、装置の安定性を向上
3. 保守作業の効率化

USBコネクタの必要性
最近では、USBポートを備えた真空装置が増えてきています。
例えば、真空チャンバー内に設置された計測機器のデータをPCに直接転送するケースが多く、
このとき、真空環境に適したUSBコネクタの選定が重要になります。

真空対応チューブの特性
真空システムにおいて、チューブは流体の移送やガスの供給に不可欠です。
特に、以下のような要件を満たす必要があります。

1. ガス透過率の低減（シリコンやテフロン製のチューブが有効）
2. 耐薬品性・耐熱性（化学処理や高温環境にも適応）
3. 接続部の密閉性の確保（リークを防ぐため、継手との相性が重要）

研究機関での使用例
大学の研究施設では、高真空チャンバー内の電子機器と外部装置を接続するため、多ピンコネクタやUSBコネクタが活用されています。
特に、データ収集やセンサー制御のために、信号伝送の安定性が求められます。

製造業での活用例
ある製造工場では、フランジの加工精度が不十分で真空漏れが発生していましたが、
高精度なシール面加工を施したカスタムフランジを導入することで、リークの発生率が大幅に低減しました。

1.素材の選定

1. 高耐久性を求めるならSUS316L
2. 軽量化が必要ならアルミニウム
3. 耐薬品性を求めるならテフロンコーティング

2.シール技術の重要性

1. Oリングや金属ガスケットの適切な選定
2. 接合部の高精度加工による漏れ防止

3.導入時のコストと性能のバランス

1. 初期コストとメンテナンス性を考慮した最適な部品選定
2. 長期的な運用を考慮した材質選び

今回は、真空環境で使用されるフランジやコネクタ、先端ねじ、チューブについて解説しました。
適切な部品を選ぶことで、装置の寿命を延ばし、トラブルを未然に防ぐことができます。

✔ まとめ
✅ フランジの加工精度が真空性能を左右する
✅ 同軸・多ピン・USBコネクタは用途に応じて選定
✅ チューブの材質選びで耐久性が大きく変わる

真空部品の選定や加工対応についてお悩みの方は、ぜひ東大阪の真空屋ヒロテックにご相談ください。
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