フィードスルーの選び方と多ピンUSBの活用法

こんにちは。今回は、真空部品として重要な「フィードスルー」について、その基本的な仕組みや用途、さらには選び方についてお話ししたいと思います。また、多ピンUSBや気密端子などの特別なフィードスルーの活用法にも触れていきます。

フィードスルーは、真空環境を維持しながら外部と内部を接続するための重要な部品です。その中でも、端子取り付けやフランジ接続、多ピンUSBなどは、特定のニーズに応じた設計が求められるため、慎重な選定が必要になります。これから詳しく解説していきますので、どうぞ最後までお付き合いください。

フィードスルーとは?

フィードスルーとは、真空装置や気密が求められる機器の内部と外部を電気的、機械的に接続するための部品です。大きな特徴は、気密性を保ちながら、外部からの信号や電源を装置内に供給できる点にあります。

例えば、真空環境下での実験装置や製造装置では、外部からの制御信号を内部の機器に送る必要があります。しかし、直接的な穴を空けてしまうと気密性が損なわれ、真空状態を維持できません。そこでフィードスルーが役立つわけです。

フィードスルーにはさまざまな種類があり、利用される分野も広範囲にわたります。端子取り付け型や多ピンタイプ、USB対応型など、用途に応じた選択が可能です。

フィードスルーの種類と用途

フィードスルーは、その用途や設計によりいくつかの種類に分かれます。それぞれの特徴を見ていきましょう。

  1. 端子取り付け型:
    端子取り付け型のフィードスルーは、電線やケーブルを直接接続するタイプです。このタイプはシンプルな構造で汎用性が高く、さまざまな真空機器で利用されています。特に、小規模な真空装置や研究用途の装置で重宝されています。
  2. 多ピンUSB対応型:
    最近では、多ピンUSB対応型のフィードスルーが注目されています。これらは、USBデバイスを真空環境内で使用するために設計されています。例えば、真空中で動作するセンサーやカメラを接続する際に、多ピンUSBフィードスルーが役立ちます。
  3. 密封端子や気密端子:
    密封端子や気密端子は、高い気密性を求められる用途に適しています。これらのフィードスルーは、真空装置内の圧力やガス漏れを防ぎつつ、電気的接続を可能にします。高真空装置や半導体製造装置など、厳しい環境条件下で使用されることが多いです。
  4. フランジ接続型:
    フランジ接続型は、装置への取り付けが容易で、しっかりと固定できるため、産業用途で多く採用されています。真空装置の規格に合ったフランジを選ぶことで、気密性と接続性を両立させることができます。

フィードスルーの選び方

フィードスルーを選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要です。

  1. 気密性と耐久性:
    真空装置では、気密性が最も重要です。使用する環境の真空度や圧力条件に合ったフィードスルーを選びましょう。また、耐久性も考慮する必要があります。特に、繰り返し使用する場合は、耐久性の高い素材や設計が求められます。
  2. 接続方法:
    端子取り付け型、多ピンUSB型、密封端子など、接続方法によって適したフィードスルーは異なります。例えば、複数の信号を同時に伝える必要がある場合は、多ピンタイプが適しています。
  3. フランジの互換性:
    真空装置のフランジ規格に対応しているかを確認することも大切です。互換性がないと、気密性が損なわれる可能性があります。標準的なフランジサイズに対応したフィードスルーを選ぶのがおすすめです。
  4. 使用環境:
    温度や湿度、腐食性ガスなど、使用環境に適した素材や設計を選びましょう。特に高温環境で使用する場合は、耐熱性の高いフィードスルーが必要です。

フィードスルー活用の具体例

フィードスルーの活用例として、以下のような場面が挙げられます。

  • 真空中でのセンサー設置
    多ピンUSBフィードスルーを使用して、真空装置内のセンサーからデータを収集。
  • 半導体製造装置
    密封端子を使い、厳密な気密性を保ちながら電源供給。
  • 実験装置
    フランジ接続型フィードスルーで、さまざまな機器を真空装置に簡単に取り付け。

これらの事例からも、フィードスルーが真空装置にとって欠かせない部品であることがわかります。

さいごに

フィードスルーは、真空装置や気密が求められる環境で非常に重要な役割を果たします。端子取り付け型、多ピンUSB型、密封端子、フランジ接続型など、多種多様な種類があり、それぞれの用途や環境に応じた選定が求められます。

特に、気密性や耐久性、接続方法、フランジの互換性といったポイントを押さえることで、適切なフィードスルーを選ぶことができます。

もしフィードスルーの選び方について詳しく知りたい場合や、具体的な製品についてお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。真空部品に関する専門知識を活かし、最適なソリューションをご提案いたします。

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