どうも、現場寄りのおじさんです。真空装置や配管のリーク確認で、ときどき相談に出てくるのがフォーミングガスリークテストです。
「ヘリウムリークテストと何が違うの?」
「フォーミングガスでも真空漏れは見つけられる?」
「どちらを使えばいいのか分からない」
このあたり、現場でも意外と迷いやすいところです。
リークテストと言えばヘリウムを思い浮かべる方も多いと思いますが、用途や条件によってはフォーミングガスが向いているケースもあります。
ただし、どちらが上という話ではありません。大事なのは、検査したい対象や必要な感度に合わせて使い分けることです。
この記事では、フォーミングガスリークテストの基本と、ヘリウムリークテストとの違い、現場での使い分けの考え方を整理します。
フォーミングガスリークテストとは?
フォーミングガスリークテストは、一般的に水素を窒素などで希釈した混合ガスを使って漏れを検出する方法です。
よく使われるのは、水素濃度を低く抑えた混合ガスです。検査対象にガスを入れ、外側から水素を検知することで、漏れ箇所を探します。
ざっくり言うと、
「漏れている場所から出てきた水素をセンサーで見つける検査」
です。
水素は分子が小さく、漏れ箇所を通り抜けやすいため、リーク検出に利用されます。
ただし、使用するガス濃度や設備環境によって安全上の注意点があるため、実際の運用ではガス仕様・安全基準・換気条件を確認して行う必要があります。
ヘリウムリークテストとの違い
ヘリウムリークテストとフォーミングガスリークテストは、どちらも漏れを調べる方法ですが、考え方や向いている場面が少し違います。
ヘリウムリークテスト
- 高感度な検出がしやすい
- 真空装置や高気密部品の検査でよく使われる
- 質量分析計を使った検査が一般的
- 微小リークの確認に向いている
フォーミングガスリークテスト
- 水素を検知して漏れを探す
- 現場での確認に使いやすい場合がある
- 配管や容器の漏れ確認に使われることがある
- 条件によってはヘリウムより運用しやすいケースがある
ヘリウムは高感度な検査に強く、フォーミングガスは現場での漏れ箇所探索や広い範囲の確認に使いやすい場合があります。
ただ、対象物や必要な検査精度によって向き不向きがあるため、単純に置き換えられるものではありません。

フォーミングガスが向いているケース
フォーミングガスリークテストが向いているのは、たとえば次のようなケースです。
- 配管や容器の漏れ箇所を現場で探したい
- 比較的大きな構造物を確認したい
- ヘリウム検査の前に、あたりを付けたい
- 水圧検査や目視確認では分かりにくい漏れを調べたい
- 外側から漏れ箇所を追い込みたい
特に、配管・溶接部・接続部など、ある程度範囲を絞りながら確認したいときには使いやすい方法です。
「どこか漏れている気がするけど、場所が分からない」というときに、現場での切り分けとして有効なことがあります。
ヘリウムリークテストが向いているケース
一方で、ヘリウムリークテストの方が向いている場面もあります。
- 微小リークを高感度で確認したい
- 真空チャンバーの気密性を厳密に確認したい
- 半導体・研究装置など高い清浄度や精度が必要
- リーク量を数値として管理したい
- 検査基準がヘリウムリーク量で定められている
真空装置の性能評価や、厳密な気密確認が必要な場合は、ヘリウムリークテストの方が適していることが多いです。
特に、合否判定を数値で管理したい場合は、ヘリウムリークディテクタによる測定が有効です。
フォーミングガスを使うときの注意点
フォーミングガスは便利ですが、気をつけるべき点もあります。
- 使用するガス濃度と安全性を確認する
- 換気や滞留対策を行う
- 検知器の感度や校正状態を確認する
- 検査対象にガスを入れてよいか確認する
- 対象物の材質や内部構造を確認する
水素を含むガスを使うため、濃度や使用環境によっては安全管理が必要です。
「薄いから大丈夫」と決めつけず、ガスメーカーの仕様書や現場の安全基準に合わせて運用することが大切です。
よくある誤解:フォーミングガスなら何でも見つかる?
フォーミングガスは便利ですが、万能ではありません。
たとえば、次のような場合は注意が必要です。
- 必要な検出感度に届かない
- 漏れが非常に小さい
- 内部構造が複雑でガスが回りにくい
- 検知器の当て方で結果が変わる
- 周囲環境の影響を受ける
フォーミングガスで反応がないからといって、完全に漏れがないとは言い切れない場合があります。
逆に、ヘリウムリークテストでも、測定条件が合っていなければ正しい判断ができないことがあります。
大事なのは、検査方法そのものよりも、目的に合った条件で確認できているかです。

現場での使い分けの考え方
ざっくり整理すると、次のような考え方になります。
フォーミングガスが向いている場合
- 現場で漏れ箇所を探したい
- 配管や容器の漏れを追い込みたい
- ヘリウム検査の前段階として確認したい
- 広い範囲を効率よく確認したい
ヘリウムが向いている場合
- 高感度なリーク検査が必要
- 真空装置の気密性を数値で管理したい
- 微小リークを確認したい
- 検査基準が明確に決まっている
どちらを選ぶか迷う場合は、まず「何を知りたいのか」を整理するのが大事です。
漏れ箇所を探したいのか。合否判定をしたいのか。微小リークを見たいのか。ここが曖昧なままだと、検査方法を選びにくくなります。
実際によくある相談内容
ヒロテックでも、次のようなご相談があります。
- ヘリウムとフォーミングガスのどちらで確認すべきか分からない
- 配管の漏れ箇所を現場で探したい
- リークテストをしたが原因が特定できない
- 古い装置で検査方法から相談したい
- 他社で確認したが改善しなかった
こうした場合、検査方法を決める前に、装置の構造や目的を整理するだけでも方向性が見えてくることがあります。
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ヒロテックでは検査方法の選定から相談可能です
ヒロテックでは、いきなり「この方法で検査しましょう」と決めるのではなく、まずは目的を整理するところから考えます。
- 何を確認したいのか
- 必要な検出感度はどの程度か
- 対象はチャンバーか、配管か、部品か
- 現場で確認するのか、持ち込みで確認するのか
- 検査後に修理や加工が必要になりそうか
検査方法を間違えると、問題がないように見えてしまったり、逆に不要な対応が増えてしまうことがあります。
まずは、目的と現場条件を整理することが大切です。
検査方法で迷っている段階でも大丈夫です
「フォーミングガスで見ればいいのか分からない」
「ヘリウムリークテストが必要なのか判断できない」
「どこから確認すればいいか分からない」
そういう段階でも問題ありません。
- 図面なしでもOK
- 検査方法が決まっていなくてもOK
- 他社で原因が分からなかった案件でもOK
まず状況を整理することで、最適な検査方法が見えてくることがあります。
フォーミングガスかヘリウムか。迷った段階でも、一度ご相談ください。


































